事前記事
こちらの記事を読む前に、
以下の記事をご覧いただくことをおすすめします。
段階的暴露法のステップ
段階的暴露法は次の6つのステップで行います。
- 暴露法について納得する
- 回避行動を特定する(このページ)
- 不安階層表を作る
- 暴露をする
- 効果の確認をする
- 繰り返す
この記事では、
②回避行動を特定する。
について、お伝えします。
自分の回避行動について知る
さて、前回の記事のとおり、
恐怖に慣れるためには、
今までとっていた
「回避行動」
を止める必要があります。
ですが、困ったことに、
長年染み付いた回避行動は
条件反射のようになっていて、
無意識的につい行なっている
場合がけっこうあります。
例えば、
クモのことを考えそうになると、
つい別のことを考えようとする
など、そのような些細な行動も
「回避行動」の一つです。
そのため、
回避行動を止めるための下準備として
自分の回避行動を
洗いざらい特定する
作業が必要になります。
無意識的に行なっている回避行動を
意識化する
と言ってもいいかもしれません。
回避行動を意識化する方法
回避行動を意識化する方法…
それは、
怖いと思った時の、
自分の行動をひたすら観察すること
です。
例えば、クモ恐怖であれば、
クモの恐怖を感じた時に、
そのあとどのような行動をとるか
ひたすら観察します。
例えば、
「部屋にクモがいるかもしれない」と思ったら
・その部屋から離れる
・家族に部屋を調べてもらう
・気持ちを落ち着かせるために冷たい水を飲む
・好きな音楽を聴く
…など、
そのあとの自分の行動を全て観察します。
観察したものは、
紙やメモアプリなどに書き出します。
一見すると、
「水を飲む」ことや
「音楽を聴く」ことは
クモと関係ないように見えますが、
そうすることで、
恐怖心から気持ちをそらしているのであれば
それも回避行動です。
このように、観察して、書き出してみて
初めてわかる回避行動もあります。
回避行動に気づかないと効果が下がる
この回避行動を観察する作業は、
一見すると地味ですが、
暴露法のかなり重要な作業になります。
というのも、
回避行動を見逃してしまうと、
そのあとの暴露法の効果が下がるのです。
自分では回避をしていないつもりでも、
実際は恐怖を避けてしまっているので、
そのあとの「慣れ」が起きずに
何度試しても、
恐怖心が下がらなくなってしまいます。
例えるなら、
お風呂の栓を閉め忘れているのに、
お湯を入れ続けているようなものです。
ですので、
この作業は
徹底して行う
ようにしましょう。
回避行動を観察するコツ
コツは、
とにかく時間順に
どんなに些細な行動でも
書き出してみることです。
その行動が回避かどうかの判断は、
ひとまず保留にして、
とにかく
恐怖を感じてから、
それが落ち着くまで
その間の行動を書き出すのです。
回避かどうかの判断は、
ぜんぶ書き出してから行えば
問題ありません。
また、よく見落としがちなのが、
頭の中で行う回避です。
例えば、
「別のことを考える」
など。
実際に身体を動かす行動ではないので
見逃しがちなのですが、
自分の考えの流れも良く観察して
書き出します。
回避行動をすべて禁止する
回避行動を十分に洗い出したら、
その行動を
すべて禁止する
ことを念頭に置いて、
これから先の計画を立てていきます。
次のステップ
次回は
「②不安階層表をつくる」
についてお伝えします。