こんにちは。
公認心理師&臨床心理士の高橋です。
子どもは寝ている時に、
急に泣いたり、怖がったりする
ことがあります。
夢を見ているようで
夢の中のことを言ったり、
声をかけても寝ぼけて
泣き止まなかったりすると、
心配になりますよね。
そのようなことがなぜ起こるのか
そうなった時にどうしたらよいのか
このコラムでお伝えいたします。
夜驚症
子どもが睡眠時に、
泣いたり叫んだりすることを
「夜驚症」と呼びます。
そう聞くと心配かもしれませんが、
多くの場合は特別な治療は不要で、
2〜3ヶ月程度で頻度も少なくなり
成長とともに自然と治ります。
夜驚症が起こる理由
なぜ「夜驚症」が起こるのかというと、
脳の中の
睡眠と覚醒を調整している部分が
未発達のため、
半分だけ目が覚めた状態になり、
怖い夢をみながら体が動く
と考えられています。
そのため、
年齢が8歳以上にになり、
脳が十分に発達すると、
自然と起きにくくなります。
起こった時には、どうしたらよいか
夜驚症が起こり、
急に泣いたり騒いだりした時には、
危険がないように側にいて、
やさしく声をかけたり
「よしよし」「大丈夫だよ」
となだめたりしながら
落ち着くのを待ちましょう。
そうしていると、
だいたい2〜3分程度、
長くても10分以内には、
ほとんど落ち着いていきます。
無理に目を覚まさせたり、
押さえつけたりする必要はありません。
走り回ったりする時も、
無理に止めようとせずに
ぶつかりやすいものを片付けるなど、
危険がないよう環境の方を調整しましょう。
ストレスや精神的なショックの影響は?
8歳以前に起こるものであれば、
脳の未成熟のために起こるものですので、
ストレスや精神的なショックについては、
あまり気にしなくても大丈夫でしょう。
ただし、
明らかに過度のストレスや
ショック体験をしているのであれば、
夜驚症かどうかに関係なく
心理的な配慮は必要になります。
また、
8歳以降にもし起こるとすれば、
精神的なショックを受けていないか、
注意深く見直してみる必要があります。
心のショックが思い当たるなら
学校や保育園のカウンセラーや
自治体の保健師さんに
一度、相談するようにしましょう。
医療機関への受診が必要なケース
一般的な夜驚症の場合は、
成長とともに自然と治っていきますので、
受診の必要はありません。
ただし、以下のような場合は、
夜驚症以外の病気が隠れていたり、
医療的な治療が有効な場合がありますので
小児科に受診するようにしましょう。
- 発熱やけいれんなど、それ以外の症状がある。
- 寝ている時だけではなく、覚醒している時も起こる
- 一晩のうちに、何度も起こる
- 10分以上経過しても治らない
- さらに危険なことや、別の問題に発展する
- 家族が対応に追われて困っている
またこれに該当しない場合でも
心配があるときには、
かかりつけの小児科や
学校・保育園などのカウンセラー
自治体の保健師さんなどに
相談してみるとよいでしょう。
*参考文献:〜子どもによくみられる症状〜 「夜驚症・夢中遊行症」
夜驚症のカウンセリング
夜驚症のカウンセリングでは、
まずはそのような症状が
脳の発達過程で起こる
正常な現象であることを
お伝えします。
その上で、
夜驚症の現象によって
どのように困ったり、
何が不安になったり、
いかに手に負えないのか、
そのことについて詳しくうかがいます。
夜驚症をきっかけとして
子育ての問題や
夫婦や家族の問題
自分の性格の問題
などについて考えることも
珍しくありません。
カウンセリングでは
夜驚症のことだけではなく
その周辺にあることについても
ていねいにうかがい、
より良い方向に進んでいけるよう
サポートをいたします。